髪の衰え

健康な髪とは…

髪の毛1本1本の表面にキューティクルが5~8枚くらい、魚のうろこのようにきれいに並んでいて、 髪の毛の中の水分やタンパク質などの栄養分を包み込んで逃がさない状態のことをいいます。見た目では髪につやがあります。
また、毛髪が生える周期(毛髪サイクル)が正常であることもとても大切。
健康な髪の毛は、まず頭皮から」、 健康な頭皮づくりはとても重要なのです。

毛根のメカニズムの図/毛髪の拡大図

毛髪サイクルとは…

私たちの髪の毛は一日平均50~80本が自然に抜け落ちています。毎日抜け毛があるからといって、髪の毛が少なくなる心配はいりません。 抜けた分は、新しく生えてくる髪が補っています。
髪には「毛髪サイクル」と呼ばれる周期があり、一定期間成長したあとで、自然に抜け落ち、新しい髪に生え変わります。
毛髪サイクルは成長期→退行期→休止期の3つの期間に分けられます。

毛髪サイクル
1. 成長期
毛母細胞が分裂を繰り返す期間です。
初期の段階では、休止期になくなってしまった毛母細胞が角化しながら髪になって、表皮に向かって伸びていきます。
後期になると、頭皮から出ている髪が太く、長くなります。脱毛症の方は、髪が十分に成長せず、後期成長期を迎えることなく、退行期に移ってしまいます。
期間は男性が3年程度、女性だと6年くらいです。(個人差があります)
2. 退行期
退行期に入ると、色素細胞がメラニンの合成をやめて、内部の細胞がやせ細っていきます。
分裂を繰り返し、髪を成長させていた毛母細胞の増殖スピードが急速に落ちるのも、この時期です。
毛乳頭や毛母細胞を含む毛球部分が表皮に向かって動き出し、毛球部分は徐々に小さくなっていきます。 この期間は4週間くらいです。
3.休止期
この時期の髪は、完全に成長が止まっています。
その下では新しい髪が出番を待っており、古い髪はいつ抜けてもおかしくない状態になっています。 力を入れて引っ張っていないにもかかわらず、 ブラッシングやシャンプーなどで髪が簡単に抜けてしまう毛髪はこの時期のものが多いです。
自然に抜けた髪を見ると、正常な状態であれば毛根がこん棒のようになっているはずです。この時期、毛乳頭では、毛根部分から離れていて、 次に生えてくる髪を成長させる準備を始めています。休止期が長引いくと、なかなか髪が生えてこなくなる場合があります。
期間としては5ヵ月間くらいです。

薄毛のメカニズム

なぜ髪は薄くなっていくのでしょうか? 
毛髪サイクルの中の成長期が短くなると同時に、 休止期に入っている毛母細胞が多くなると、頭皮に生えている髪の本数が少なくなってきます。
だんだん毛髪サイクルが短くなり、髪の毛が本来の寿命を迎える前に抜けてしまうからです。
髪がうぶ毛の状態で抜けてしまったり、細く、コシがなくなったり、部分的に髪が生えている密度が薄くなったときは、 薄毛に近づいている可能性があります。

薄毛、脱毛にもさまざまな種類があります。
ここでは、いろいろな薄毛の種類について述べていきます。

男性型脱毛症(AGA)

早い人では、思春期の頃から始まります。前頭部(生えぎわ)や頭頂部が急に薄くなり、 徐々にその範囲が広がるのが男性型脱毛症の特徴です。
原因としては、男性ホルモンの過剰分泌により、毛髪の成長を助ける女性ホルモンの働きが抑えられ、 皮脂の分泌も活発になるため、毛根に脂がたまり、髪の毛の固着力が低下していることが考えられます。
また、血中のテストステロン(男性ホルモン)が毛乳頭に取り込まれると、 5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)という物質に変わるのですが、 このDHTにより毛髪サイクルの成長期が短くなり、長く太く成長する前に髪は抜けてしまいます。これは遺伝的要因と考えられ、 繰り返すうちに、髪はどんどん薄く短くなっていきます。
特に、頭蓋骨が張った形の人に多く見られ、頭皮がつっぱるため、血管を圧迫し、毛髪を生成する組織に栄養分が行き渡らず、 固着力が弱まり、脱毛につながるのです。

脂漏性脱毛症

皮脂の分泌過剰によって頭皮に皮膚炎が起こると(頭皮が赤くなる場合もあります)、毛穴が皮脂でふさがれてしまいます。 それによって、毛母細胞への酸素供給の不足が起こり、細胞分裂がスムーズに行われなくなるので、ヘアサイクルが乱れます。
男性型脱毛症と合併して起こることが多く、脱毛がさらに加速されます。

円形脱毛症

何の前触れもなく、突然円形に脱毛してしまいます。原因は主に自己免疫疾患で、免疫細胞が毛母、 メラニン色素生成細胞を攻撃するために毛球が破壊され脱毛していくと考えられます。
円形脱毛でも、良性と悪性があり、良性の場合、脱毛の大きさは500円硬貨大くらいで丸くくっきり現れます。
悪性の場合、生えぎわに発生したり、全頭に及ぶこともあり、形もいびつで回復も遅くなります。

粃糠性脱毛症

頭皮が乾燥しすぎたことによるフケの発生に伴って、抜け毛が増加する脱毛症です。
脱脂力の強いシャンプー剤などが原因で多量に出たフケが毛穴に詰まると、脱毛しやすくなります。 ただし、粃糠性といわれる脱毛の場合、フケがカサブタ状になったり、毛穴をふさいでしまうほど、 大量のフケが異常発生して脱毛しまう疾病ですので、多少のフケを伴った状態での脱毛では、粃糠性脱毛症とは言えません。

結髪性脱毛

髪を強く引っ張るような、無理なヘアスタイル(強く結んだポニーテールなど)を続けると脱毛することがあります。

産後脱毛症

女性が妊娠すると、体は出産の準備を始めます。 このときの大きなホルモンバランスの変化によって、毛髪サイクルが停滞します。
女性ホルモンの増加から、本来抜け落ちるはずの髪が退行期のままとどまってしまうのです。 出産を終えて通常のホルモンバランスに戻ったとき、退行期を迎えた髪と、 退行期のままとどまっていた髪が一気に抜け落ちてしまうことがあります。
これは、一時的な毛髪サイクルの乱れであって、通常は出産を終えれば時間の経過とともに、解消されます。

びまん症脱毛症

びまんとは、一面に広がるという意味で、頭部全体の髪が均一に脱毛し、毛髪が全体に薄くなります。 脱毛部分の境界がはっきりせず、全体の髪密度が低下するため、髪の分け目や頭頂部の目立つところも薄くなります。
びまん性脱毛症は女性型脱毛症とも呼ばれ、30代後半以降の女性に多く見られます。
男性型脱毛症とは違い、生活習慣を少し変えるだけで豊かな髪を取り戻せる可能性は高いでしょう。

上記で述べたように、脱毛の原因はさまざまです。まずは、自分はどのタイプに当たるのかを知ることが大切です。

白髪のメカニズム

何気なく髪を見ていて、白髪を1本発見!!
なんだかすごく老けた気分になった人は多いのではないでしょうか?

髪は本来色素がなく、毛髄質、毛皮質、毛小皮という3つの透明な層でできています。 では、なぜ黒く見えるかというと、メラノサイトという色素細胞が、黒色のメラニン色素を与えているからです。 加齢や病気などによりメラノサイトが徐々に減少すると、それに比例してメラニン色素も減少します。 その結果、髪の色素が薄くなり白髪となるのです。
ちなみに、人間の体の中で最初に白髪になるのは鼻毛で、次が毛髪です。

白髪になる原因

黒髪が白髪になるとき、それには3つのタイミングがあります。

その1
髪の毛が寿命を終えて(毛髪サイクルをまっとうして)新しい髪に生え変わるとき、加齢などにより衰えたメラノサイトが、 毛母細胞で機能しなくなってしまい白髪になります。
その2
髪の毛が成長期の途中でメラノサイトの活動が衰えてしまい、徐々に色素がなくなり、白くなっていくパターン。
その3
病気、薬の副作用などによりメラノサイトが急に活動を停止した場合、突然、白髪になってしまいます。

白髪になる原因その2

白髪になる原因として、考えられるのは、

1・遺伝によるもの
いまだ解明されていない部分が多いのですが、白髪になりやすい、なりにくいなど、遺伝的な要因があるといわれています。
2・栄養不足によるもの
ビタミン、ミネラル、良質なタンパク質が不足し、内臓の働きが衰え血流量が減ることで、細胞が栄養不足になり、白髪になることがあります。
3・ストレスなど、精神的なもの
苦労すると白髪が増えるという話をよく耳にしませんか。ストレスと髪の関係はとても深く、 体にストレスがかかると毛細血管が収縮してしまうため、メラノサイトの働きを弱める原因となります。
ただし、一晩にして髪の毛が真っ白になるというのは迷信で、黒髪がある日突然白くなることはありません。

白髪になる原因その3

最近の研究発表では、白髪の原因としてはDNAの損傷があげられています。
人類を含めた哺乳類は1日に最高10万回にも及ぶDNAの損傷を受けているといわれています。 なかでも、この被害を受けているのが、髪の発色をつかさどっているメラノサイトという説が発表されました。


白髪のメカニズムに対して現在の時点で「これだ」という明確な原因は残念ながらわかっていません。 しかし、これらの考えられる原因をふまえつつ、早めの対策をしていきましょう。

フケのメカニズム

フケとは…

頭皮から自然にはがれ落ちた角質層の細胞(角化細胞)のことです。表皮の一番下の 基底層の細胞(基底細胞)が14日間かけて角化細胞になります。角化細胞は、さらに14日間とどまりアカとなってはがれ落ちます。
これをターンオーバーといい、通常であれば、28日周期で頭皮の細胞は入れ替わります。
フケとは、頭皮からはがれ落ちる角化細胞と、皮脂などの分解酸化物との混合物なので生きている以上は誰にでも出ます。 これが異常に多いものをフケ症と呼びます。

フケ症の種類

フケ症には脂性と乾燥性の2種類があります。
一般的に症状として多いのは、脂性のフケです。粘りっこい重い感じが特徴で、軽度だとフケが出るだけですが、 ひどくなると脂漏性皮膚炎となり、 脂の分泌が多い部分である顔、眉間、鼻の両側、耳などの皮膚が赤くなり、頭から脂っぽいフケが大量に出ます。
もうひとつ、サラサラとして軽いのが乾燥性のフケです。アトピー性皮膚炎やアレルギーが原因の場合もあります。 また、冬などの乾燥した季節に増えるフケも乾燥性のことが多いようです。
そのほか、脱脂力が強すぎるなど、頭皮に合わないシャンプー剤を使用して、フケが出ることもあります。 ターンオーバーが正常の28日よりも長い場合は脂漏性のフケが、短い場合は乾燥性のフケになることが多いです。